『不徹底な』映画好きの独り言

映画とお笑いについて考察していくブログです!!

R-1ぐらんぷり2019考察! 〜全出場者のネタ批評、採点〜#8

こんにちは、ダイスケです!

 

今回は3月10日に開催された

R-1ぐらんぷり2019について考察していきたいと思います!

 

霜降り明星の粗品さんM-1との二冠を果たし、幕を閉じた今回の大会ですが、

出場者の皆さんのネタが非常に素晴らしかった故に、

私自身、思ったことが様々ありますので、

このブログに綴ろうと思いました。

 

内容としては、

出場者のネタを紐解いて数値化し、良かった点と悪かった点などを分析していきます。

完全な素人である私が、こんなことをするのはおこがましすぎるということ、

大変承知してはおりますが、お笑いに対するいきすぎた愛情の副作用ということを

ご理解願います。。。

  

Aブロック

チョコレートプラネット松尾さん 85

一休さんを呼んだらIKKOさんが出てきて、そこからは似すぎのIKKOさんのモノマネで笑わせていくというネタでした。

 

まず思ったことは、やはりお客さんの質でした。

少しオーバーに笑っているな、リアクションしているなというのは、

松尾さんが舞台脇から登場した瞬間に感じました。

その違和感は、その次のクロスバー直撃前野さんの時に確信に変わりました。。。

 

ネタに話を変えますが、

チョコプラ松尾さんは、言わずもがな昨年からメディアの露出が非常に多くなっている芸人さんで、

IKKOさんのモノマネを披露する機会がとても多かったです。

なので、完全に手の内がバレており、ネタバレしていました。

 

屏風の虎にメイクをするという流れになるのですが、

ボケ数があまり多くなかったように思います。

 

終盤はボケを乱発するのですが、あまり精度が高くなかったように思います。

イスから転げ落ちて、カツラが取れるというボケがありましたが、

これは「とんねるずのみなさんのおかげでした」の人気コーナー『全落』のくだりを真似したものでした。

 

ここで注目したいのは、『全落』での本家IKKOさんが半端なく面白いということです。

『全落』はドッキリ企画ですので、当然何の予定調和もないハプニングであり、

この面白さには絶対勝てないのです。

何も考えず、ただドッキリやハプニングにリアクションを取る

出川哲朗さんやみやぞんさんに皆さんは大爆笑していると思います。

天然のものに人工はやはり勝てないのです。

 

このように、本家が面白すぎるあまり、本家オリジナルに勝てない

すなわち、天然>人工という図式が松尾さんのネタにも生まれ、

大きな笑い、面白さ、審査員の評価には繋がらなかったのではないかと思いました。

 

 

 

クロスバー直撃前野悠介さん 87

通過したものを当ててもらう動体視力検査という設定で、自作の小道具を登場させまくり、

終盤はそれらをメルカリに出品した時のユーザーからの謎のコメントを紹介するというネタでした。

 

本番中にMCの宮迫さんもおっしゃっていましたが、

ネタの構成が、おもしろ小道具の紹介メルカリのコメント二段構えになっていました。

その部分は非常に画期的だったのですが、全体を通してみると少し有機性に欠けていたと思います。

 

どうしても小道具のおもしろさを出したい分、ただただ連発しているだけで、

小道具の発表会で収まり、全体のつながりが見えてきませんでした。

確かに、印鑑を入れるところ、朱肉が入っているところなど、

「被せ」も見られたのですが、つながりは薄かったように思います。

なので、会場もかなり受けていたメルカリのコメントのパートをもっと増やし、

そこで、小道具の紹介を完全にフリにしてしまい、メルカリのコメントで全てを回収するような大技があれば、

有機性がもっと強まり、点と点が繋がるような重厚なネタに仕上がったのではないかと思いました。

 

 

 

こがけんさん 93

歌が上手くなるマイクを買ったけど、思っていた歌の上手さと違う。。。というネタでした。

 

僕はこの大会の中で2番目に面白いと思ったネタでした。

 

先ほどのクロスバー直撃前野さんのネタは二段構えになっていましたが、

こがけんさんのネタは三段構えになっていました。

マイクのツマミが「強」になっているパート、

「弱」になっているパート、

そしてマイクが生活音をも拾ってしまうというパートの3つです。

なので、たとえ「洋楽風の歌のうまさ」という一つのアイデアが軸になっていようとと、

お客さんを飽きさせないようなネタになっていたと思います。

最初のドラゴンボールの主題歌からグッとお客さんをツカミ、

オチのNEWS ZEROも完璧にハマっていたと思います。

 

こがけんさんのこのネタは、

どの曲でも洋楽風の歌い方になってしまうという特技から始まったと思われます。

6、7年前でしょうか、「人志松本の〇〇な話」という番組で、

売れっ子芸人さんたちが今ハマっている、まだ売れていない芸人さんたちを紹介するコーナーがあったのですが、

そこで、千原ジュニアさんがこがけんさんを紹介し、このネタをしていました。

その時は、こがけんさんがいわばボケという形でひたすら洋楽風に歌い続け、

スタジオにいた芸人さんたちがツッコミやガヤを入れて笑いになっていました。

 

しかし今回は、ツッコミ役をこがけんさんが行い、マイク自体がボケという構図となっていて、

特技をネタに落とし込むという作業にかなりの努力、創意工夫が見られました。

やはり、さすがプロの芸人さんだなと大変感心いたしました。

 

 

 

セルライトスパ大須賀さん 91

抱っこしている赤ちゃんを起こさないように小声で行う漫談というネタでした。

 

個人的には審査員からのかなりの高評価に少しビックリしました。

 

冒頭の「寝ましたー」で完璧にツカミました。

下敷きは高すぎるという、「あるある」もとても新鮮で面白かったです。

しかし、その直前の

ボールペンとシャーペンは高い技術を駆使しているにも関わらず、非常に安いというあるあるや、

種無しブドウに種が入ってる、スーパーカップなどは私自身、どこかで聞いたことのある、あるあるで、

あまり面白さとして伝わってこなかった部分があります。

 

ですが、審査員長の桂文枝さんがおっしゃっていたように、

小声で客に聞かすという手法は確かに革新的だったように思います。

大須賀さん本人がおっしゃっていましたが、

彼自身、スリムクラブさんのたっぷり間をとる漫才の影響を強く受けているそうです。

やはり、面白い手本に少しアレンジを加えて、新鮮味を出すことに成功したということは才能がなければできません。

 

お笑い、そしてネタの歴史は長く、画期的なネタの手法はほとんど出尽くされたのではないかと感じてしまうくらい多く世に出てきました。

しかし、大須賀さんは「間をたっぷり取ること」「小声」という見せ方を足して、

全く新しい手法を編み出したのです。

 

ネタの手法が出尽くし、発明が難しくなっている現代のお笑いにおいて、

やはり、こうした新しいネタは大変高く評価されるのだなと、私自身気づかされ、

審査員(プロの芸人)たちがこのネタを評価したことにも合点がいきました。

 

 

Bブロック 

おいでやす小田さん 91

成功者となり全てを得たのだが、堅苦しい日常がつまらないと嘆き、最終的には庶民時代の幸せな思い出たちを叫びまくるというネタでした。

 

小田さんの最大の特徴である「大声」で叫びまくるネタで、私自身その熱量演技に大笑いしました。

声を張る系のネタはウケだすと会場のお客さんと一体になって、地響きにも似た大爆笑を生むことができます。

しかし、会場との温度差が生まれてしまうと、取り返しのないことになってしまいます。

 

このネタでそこまでの温度差が生まれることはなかったですが、

そこまでウケきらなかったと思いました。

 

お笑い番組やコンテストのお客さんは女性が圧倒的に多いです。

やはり、番組側は視聴率が欲しいので、明るい雰囲気を出す努力をします。

ですので、女性の声高な笑い声が絶対的に必要なのです。

 

そうなると、小田さんののたうち回って絶叫するネタは少し女性には敬遠される傾向があるのかなと思います。

率直にいうと、品に欠けるネタになり、女性がほとんどの会場ではそこまで盛り上がらないということです。

 

しかしながら、金持ちあるあるから庶民あるあるへと徐々に移っていくところなど、

大声一辺倒ではなく構成の妙が垣間見えて

非常にクオリティの高いネタだったと思いました。

個人的には、もう一本ネタを見てみたい芸人さんでした。

 

 

 

霜降り明星粗品さん 92

おなじみのフリップ芸でした。

 

昔からある完全王道のフリップネタにも関わらず、爆笑をかっさらっていました。

というのも、ネタの基本である

ボケ数テンポ、そしてが完璧でしたので、当たり前の結果だと思います。

 

序盤は、お客さんをツカむために、意図的にフリップ一枚一枚に時間をかけていましたが、

中盤以降はスピードアップして最後まで駆け抜けていきました。

 

また、要所要所であえて質の低いモノマネを入れていくことで

テンポを生み出すことに成功していました。

ボケの質をと、

時間をと織り交ぜることで抑揚が生まれるのです。

という波においては、

」のおかげで「」が通常以上に大きく見えるのです。

野球でいうところの、100kmのカーブを投げた後の140kmの直球がものすごく速く見えるのと同じで、

こうした錯覚を粗品さんは効果的に用いていました。

 

このような笑いもしくはネタの基本が完璧に徹底されていれば、

目新しい手法など必要ない、

そして、王道に勝るものはないということを改めて痛感いたしました。

 

 

 

ルシファー吉岡さん 88

男子校の5年生(高校2年生)のクラスの担任の先生が、次年度から共学になることを生徒たちに伝えるというネタでした。

 

演技力はおそらく全出場者の中で一番高かったように思います。

しかし、そこまでお客さんにハマってなかったかなという印象です。

 

先ほども言ったように、R-1ぐらんぷりはコンテストである前に、

テレビ番組ですので、お客さんは女性がほとんどです。

なので、ルシファー吉岡さんの真骨頂ではあるのですが、

下ネタ的要素が含まれたネタは少し厳しいように思います。

 

ネタの内容に触れますと、少し展開が読みやすかったかもしれません。

「生徒たちは5年生」、「今年の4月から」という情報だけであれ、6年生は?という疑問がすぐに出てきたのですが、

3つくらいのくだりを挟んで、そこに触れていました。

少々意外性に欠ける回収となっていて、もったいないなと思ったりもしました。

 

もう一つ盛り上がりに欠けた要因を挙げるとすると、

やはり、理解するのが難しいタイプのネタだったということでしょうか。

ルシファー吉岡さんのネタ(おそらく全て)は、架空の相手との会話でできています。

ですので、お客さんが想像力を働かせて

話し相手がするであろう返しや反応を脳内で補填しながら見なくてはなりません。

 

このようなコンテストの決勝は番組側が観覧客を募集し、抽選で選ばれた方たちのみが足を運びます。

なので、お笑いライブに日頃から行っている人たちだけでなく、ライト層の方たちも集まります。

厳密にいうと、ライト層の方が圧倒的に多いです。

ですから、お客さんたちがネタのポテンシャルを最大限に理解できず、

会場が爆笑に至らないという現象が起きてしまうのです。

 

ルシファー吉岡さんは今回を含めて4回も決勝に進出しています。

しかし、いまだにファイナルステージに進めていません。

この理由も、今述べたとおりだと思います。

準決勝はお笑いマニアのお客さんしか来ません。

ですので、ルシファー吉岡さんのネタを完全に理解し、物語についていき、笑います。

そして、決勝に進出することができます。

ただ、決勝はそのようなお客さんばかりではありませんので、準決勝のようにはウケないのです。

 

 

 

マツモトクラブさん 90

久しぶりに会った友人が連れて犬がウソを見分けられる能力を持っていて、それに揺さぶられていくというネタでした。

 

マツモトクラブさんのネタはいつもそうですが、

素晴らしい映画や演劇などを見た時のような、感動すら覚えます。

その反面、爆発的な笑いまでは起こらないというのが欠点で、

今回もそのケースに当てはまる形となってしまいました。

 

ネタの構成としては、

自分のウソだけに反応されると思いきや、

飼い主である友人のウソにまで反応し始めるという「裏切り」や、

飼い主の前に付き合っていた彼女は犬の散歩もしてくれた優しい子だったというところに犬が反応する「山場」

しっかり配置されていて、大変素晴らしかったと思います。

 

しかし、「間」の部分で少し違和感を覚えてしまいました。

3分という短い時間の中で、多くのセリフ、そして笑いを入れているため、

かなり間が短かったかなと思います。

コントというネタのタイプにおいて、間を詰めるというのは、ちょっと不自然さを覚えるというか、

どうなんだろうと私自身思ってしまいました。

 

また、録音された言葉との会話というネタの性質上しょうがないのですが、間がすでに決まってしまっています。

すなわち、お客さんが笑うタイミングも含めて、全ての「間」があらかじめ定められているのです。

なので、お客さんの笑いが少しでも長いと、セリフと笑い声が被ってしまったり

笑いがノビなかったりという弊害が起こってしまいます。

こうして最終的には、閉塞感にも似た雰囲気が生まれて、大爆笑に至らなくなってしまうのです。

 

やはり、笑いは生き物であり、私たちもハプニングのようなものをどこかで期待してしまいます。

なので、このような完全予定調和の一人コントというものには、

限界があるのかなと思わされました。

 

 

Cブロック

だーりんず松本りんすさん 95

カツラ芸でした。

 

私の中では今大会で一番面白かったネタでした。

ハゲネタの亜種としてのカツラ芸で、かなり新鮮味がありました。

というか初めて見ました。

 

ネタの内容としては、カツラにまつわるショートコントやモノマネ、手品をメインにやりながら、

ブリッジとして、カツラあるあるや「ヘリコプターを付けるとしたらおでこです」といった小話を挟み、笑いを取っていました。

構成も含めて、カツラをネタにするということ以外は、別段新しいことはしていなかったように思います。

 

しかし、一番面白かったですし、会場も一番沸いていたのではないかと思います。

やはり、ハゲネタは必ず爆笑を生むなあと感じましたし、

面白いに決まっているとも思いました。

 

Cグループでのウケが断トツだったにも関わらず、何人かの審査員からは票が入らなかった理由もここにあると思います。

ハゲ、カツラをネタにするというのは面白いに決まっている。

だから、もっと工夫次第で面白くできるはずだ。

このネタに関しては、ウケ量を本当の面白さとして額面通りに受け取ってはいけない。

というように、ウケ量に対して、ある程度の「引き算」が行われたのではないかと思います。

 

でも私は、あそこまで会場を沸かせて、空気を掴んだら、

もう手放しで評価してもいいのではないかと思いました。。。

 

 

 

河邑ミクさん 89

大阪に引っ越すことになり、大阪ってこういうところなのと特徴を列挙していくのですが、それがdisだらけ。。。というネタでした。

 

河邑ミクさんのネタは、自身の可愛さをネタの中で活かすものが多く、今回もその要素を含んでいました。

なので、先ほどからも触れている通り、女性のお客さんがメインである会場では、

嫉妬などのせいなのか分かりませんが、少し笑いが起きづらいのかもしれないです。

 

内容としては、演技が上手くて、disの質も高く、ものすごく面白いと思いました。

個人的には、「ピアノを習うという概念がない」「たこ焼きで根性焼き」というdisがツボでした。

 

加えて、ノリツッコミのくだりも非常に面白いと思いました。

ブスと言われて鏡を見てみたら可愛いやないかい、そのあとに少々時間をかけて、

「ノリツッコミって言うんだって」と嫌そうに言う場面です。

「ノリツッコミって言うんだって」というセリフ、とても面白いと思ったのですが、

会場ではあまり反応がなかったです。

またも、やっかみのせいか分かりませんが、このシーンはもっとウケてもいいし、

ウケないといけないと思いました。

河邑ミクさん本人も、おそらくここを山場の一つとして考えたと思います。

その分、ここで爆発しなかったことが、ネタ全体の盛り上がりに欠けた要因になったと思われます。

もし、ここが爆発したら、会場の空気をグッと掴んだと思いますし、

後半のdisも何割にも増してウケていたのではないかと思います。

 

最近の女性芸人さんたちは、見た目の醜さを前面にするネタや、臆せず体を張る傾向があり、

そしてそれがウケるという世間の風潮があります。

しかし、河邑ミクさんはそれに反して、可愛さをネタに落とし込んで笑いを取っています。

私自身、ブスネタやブスいじりはもう飽き飽きしていますし、

なにより品がないのであまり好みではありません。

ですので、これから河邑ミクさんを応援していきたいと思いますし、

最近の風潮を変えていっていただきたいと切に願っています。

 

 

 

三浦マイルドさん 90

広島弁漢字ドリルの例文というフリップ芸でした。

 

三浦マイルドさんのネタはフリップが多いですが、

いつもテンポがよく、テンションが高く、熱がこもっていて

非常に面白いです。

実際、2013年のR-1で優勝を果たしていますし、

かなり評価もされている芸人さんです。

 

ネタの内容は、

序盤は、広島弁そのものの柄の悪さから来る面白さ、

そして、三浦マイルドさんの例文の言い方の面白さで笑わせていくのですが、

後半にかけては、例文の面白さを前面に押し出していくという

構成の妙を感じるものでした。

また、終盤は何回か前半の例文をカブせていき、

後半にかけて面白くなっていく理想のネタの形になっていました。

 

個人的には、「東南アジア」「校長先生」どこかで聞いたことのあるフレーズ、

「宗教色強めの幼稚園出てるから人間ができている」というボケなどはものすごく面白いと思いましたが、

少し、タブーというなんというかギリギリを攻めたボケだったので、

笑いづらかったのかなと思います。

 

フリップネタはやっていることが単純になりがちで、爆発しにくいのですが、

このネタはかなりウケていたほうだと思います。

 

なので、正直な話、敗因があまり見つかりません。

挙げるとすれば、途中フリップのめくりがスムーズにいかず、

動揺がこちらにまで伝わってきてしまったことでしょうか。

その瞬間はこちらもネタに入っていけなかったです。

めくりにごたついている間、アドリブでなんとか繋げていれば、

巻き返せたのかも分かりません。

 

ですが、それよりなにより、だーりんず松本りんすさんが大ウケしたことが

壁になった一番の原因なのだと思います。。。

 

 

 

岡野陽一さん 89

鶏肉を食肉加工される前のような大空に飛ばしてあげるという超サイコ的なネタでした。

 

岡野陽一さんは、巨匠時代からサイコ系のネタを得意としていて、

今回もかなり毒強め風刺強めのネタでした。

私は、このようなネタが大好きなのですが、

やはり大衆ウケはしづらいのだなと改めて痛感しました。

 

人間のエゴによって、殺され、そして加工されてしまった鳥の立場に立って、

改めて空を飛ばせてあげる、という発想。

そして、それをネタにする岡野陽一さんは本当に天才だと思いました。

 

近年、ベジタリアン(菜食主義者)やヴィーガン(完全菜食主義)などが世間的な声を強めています。

※ヴィーガン肉や魚はもちろん、卵、チーズ、バター類、はちみつ、ゼラチンなども一切食べませんし、ウールや毛皮も着ません。

彼らの多くは、動物の命の尊さに気づき、重んじて、そのような思想に至っているようです。

私自身はベジタリアンでもヴィーガンでもないですが、その思想自体は素晴らしいものであると一応肯定はしています。

 

しかし、彼らの中にその思想を他の人に押し付ける人たちがいて、

実際に批判を浴びたりもしています。

 

今回のネタは、命の尊さを伝えるネタは一見すると、菜食主義者側に立ったものだと思いますが、

私は、笑いのネタにしている点

そして、「風船を売っている人がこんな(黒い)服着てないだろ」と話し、

暗くてネガティブな印象を持たせる外見にしている点から、

菜食主義者を皮肉っているのではないかと思いました。

 

笑いは批判やある時は差別から生まれるものですので、

このような手法は「あり」だと思いますし、

私自身、このネタでとても笑いました。

ですが、マイノリティの主張も受け入れて、多様性を大切にしようという、

最近の社会の風潮の下では、このようなネタはすんなりと受け入れられるものではないのかなと感じました。

 

ただ、こうした皮肉を効かせたネタを確立している岡野陽一さんには、

たとえもし批判されたとしても、このスタイルを一生続けて欲しいなと思います。

というのも、言論の自由思想の自由というものがありますし、

それらをひっくるめて「多様性」ですから。

 

 

 

ファイナルステージ

 

セルライトスパ大須賀さん 90

ジャングルでトラに囲まれている中、小声で漫談をするというネタでした。

 

率直に言うと、1本目のネタの方が良かったかなと思いました。

赤ちゃんを抱っこしていると、なんだか楽しそうで、ほっこりした雰囲気になり、

結果として会場を暖かくできお客さんを掴みやすくなるのかなと思います。

 

このように、笑う態勢づくりが2本目の方が劣っていて、

少し落ちた印象を抱いてしまいました。

 

ですが、ネタの内容は1本目同様、とても面白かったので、

優勝の可能性も十二分にあったのではないかと思います。

現に票数は同じでしたし。。。

 

 

 

霜降り明星粗品さん 91

1本目と同じく、おなじみのフリップ芸でした。

 

ボケ数、テンポ、そして質の全てがまたも高レベルだったと思いました。

しかし、前半の、フリップの裏に「バンクシー」が描かれているというところが、

少し、会場に伝わらなかったのか、あまり反応がなかったように思います。

このくだりは後半にも被せたのですが、結果的に効果的ではなかったと言わざるを得ないと思います。

 

また、1本目でもそうだったのですが、フリップの半分もしくはそれ以上が、

すでに何年も前に披露しているネタでした。

なので、お笑いマニアやそうでなくても、ネタ番組をいつも楽しむ人たちにとってはかなりネタバレ感があったかと思います。

ですが、昨年末にM-1グランプリ優勝し、メディアへに露出がかなり増えて、

ネタを作る時間がないことを考慮すると、ある種当然のことなのかなと思います。

しかし、裏返せば、ここまで多忙を極めているのにも関わらず、

優勝してしまうなんて、粗品さんの才能は凄まじいなと思いました。

 

 

 

だーりんず松本りんすさん 92

1本目に引き続きカツラ芸でした。

 

私の中では、ファイナルステージで一番面白かったなと思いました。。。

3位に終わってしまった理由は、先ほど説明した通り、

審査員の中で、「引き算」が行われたこと。

それに加えて、カツラ芸とブリッジの漫談の両方のクオリティが1本目からは落ちたこと

ではないかと思います。

「タケコプター」みたいなボケが一個でもあれば、結果は変わっていたのかもしれません。

 

松本りんすさんはこのようなカツラ芸、カツラいじりだけではなく、

平場でのツッコミも、印象に残るワードを繰り出し、非常に鋭くて面白いので、

ぜひテレビ番組等で活躍している姿を早く見たいなと思います。

 

 

 

まとめ

今回のR-1ぐらんぷり2019は全員が面白くて、

非常にレベルが高かったように思います。

 

5年くらい前までは少し不安になるほどウケていない方もいらっしゃったので。。。

 

R-1は一人芸であればなんでもありというルールです。

なので、フリップ芸、モノマネ、一人コント、漫談など様々な手法が登場し、

芸の奥深さが存分に感じられる素晴らしい大会だと改めて思いました。

 

優勝された霜降り明星粗品さんはもちろん、

他の芸人さんたちもこれから活躍されること間違いないかと思います。

個人的には、河邑ミクさんと松本りんすさんに期待していきたいです。

 

最後に、全ての出場者のみなさま、素晴らしい大会をありがとうございました。

 

 

 

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